墓じまい・改葬・永代供養

墓じまいの費用と手続きの流れ【8ステップで解説】改葬許可申請の正しい進め方と離檀料の考え方

墓じまい(改葬)を検討する方へ。改葬許可申請の正しい手順を8ステップで整理し、離檀料の考え方、費用内訳の目安を中立の立場で解説します。申請先はどこか、必要書類は何かといった実務のつまずきやすい点もていねいにまとめました。

しまいごとノート編集部

墓じまいとは何か、なぜ手続きが必要なのか

墓じまいとは、今あるお墓を撤去して更地に戻し、納められていた遺骨を別の場所(永代供養墓や納骨堂、樹木葬、あるいは手元供養など)へ移すことをいいます。遠方に住んでいてお墓参りが難しい、承継してくれる人がいない、管理が負担になっている――そうした事情から検討する方が増えています。

大切なのは、遺骨を勝手に移すことはできないという点です。遺骨の移動には、法律にもとづく「改葬許可」という行政手続きが必要になります。ここを知らずに進めると、途中でつまずいたり、やり直しになったりします。この記事は費用と手続きの全体像をつかむための入口として、8つのステップと費用の目安をひととおり見渡せるように整理しました。各テーマの踏み込んだ解説は、費用なら墓じまいの費用相場と内訳、手続きなら墓じまいの手順と改葬許可申請の流れ、離檀料なら離檀料トラブルと交渉手順という専門記事に譲り、この記事では要点だけをつなげて示します。

墓じまいにかかる費用の内訳と目安

墓じまいの費用は、大きく「今のお墓を閉じる費用」「移転先の費用」「お寺・霊園へのお礼」の三つに分けて考えると整理しやすくなります。金額は地域やお墓の大きさ、移転先の種類によって幅があるため、目安として捉えてください。

今のお墓を閉じる費用

  • 墓石の撤去・解体、更地への復旧工事:一般に1平方メートルあたり10万円前後が語られますが、墓地の広さや立地(重機が入れるか、山間部かなど)で大きく変わります
  • 閉眼供養(魂抜き)のお布施:3万円〜10万円程度が一つの目安
  • 各種証明書の発行手数料:改葬許可申請書・埋蔵(収蔵)証明書・受入証明書などにかかる手数料は、数百円〜1,000円ほど

移転先(改葬先)の費用

移す先によって費用は大きく異なります。永代供養墓・樹木葬は5万円〜150万円程度、納骨堂は10万円〜150万円程度、一般墓を新たに建てる場合は100万円〜200万円程度が一つの目安です。合祀か個別区画かで差が出るしくみなど、形式ごとの違いと選び方は永代供養の種類と費用の比較で詳しく整理しています。

お寺へのお礼(離檀料)

離檀料については次の章でくわしく触れます。撤去・供養・お礼を合わせた総額の組み立て方をまとめて把握したい場合は、墓じまいの費用相場と内訳を先に読んでおくと、この後の各項目が理解しやすくなります。

※金額はいずれも2026年7月時点で語られる目安にすぎません。実際の費用は条件で幅が出るため、最新の料金は見積もりや自治体・公式の案内で確認してください。

離檀料の考え方――「決まった金額」ではない

離檀料とは、これまでお世話になった菩提寺(檀家として所属していたお寺)を離れる際に、感謝の気持ちとして包むお金です。ここで誤解されがちなのが、離檀料に法律上の決まった金額があるわけではない、という点です。

目安としては3万円〜20万円程度、あるいは法要で包むお布施の2〜3倍ほどの金額を包む例が多いといわれますが、これはあくまで慣習にもとづく相場観です。離檀料は法的な支払い義務ではなく、長年供養してくださったお寺へのお礼という性質のものです。

まれに高額な離檀料をめぐってお寺との間でトラブルになる例も聞かれます。基本は、墓じまいを決めたら早い段階で菩提寺に丁寧に相談し、突然「やめます」と切り出さないことです。お寺との関係は事務的な解約とは違い、これまでの供養への感謝が土台にあります。金額の交渉というより、まずは丁寧な相談から始めるのが円満に進めるコツです。高額を提示されたときの初動対応や、お寺と穏便に話し合う具体的な手順は離檀料トラブルと交渉手順で詳しく解説しているので、金額に不安がある方はあわせてご覧ください。

墓じまい・改葬の手続きの流れ【8ステップ】

ここからが本題の実務です。手続きの順番を守ることが、スムーズに進めるいちばんの近道です。

ステップ1:家族・親族と相談し、合意を得る

お墓は自分ひとりのものではなく、親族にとっても大切な場所です。後々のわだかまりを避けるため、まず家族・親族に相談し、墓じまいの意思を共有します。ここを飛ばすと、あとで反対が出て話がこじれることがあります。

ステップ2:新しい納骨先(改葬先)を決める

遺骨の移転先を先に決めておく必要があります。永代供養墓、納骨堂、樹木葬、別の墓地への移転、手元供養など、供養の形と費用、通いやすさを踏まえて選びます。改葬許可の申請には移転先が決まっている必要があるため、この段階が実質のスタートです。候補を無料で取り寄せて比較したいときは樹木葬・納骨堂の資料請求で見るポイントが役立ちます。

ステップ3:改葬先から「受入証明書」を受け取る

新しい納骨先が決まったら、そこから遺骨を受け入れることを証明する「受入証明書(永代使用許可証などの場合もあります)」を発行してもらいます。

ステップ4:今のお墓の管理者から「埋蔵(収蔵)証明書」を受け取る

現在お墓がある寺院・霊園の管理者に、そこに遺骨が納められていることを証明する「埋蔵証明書(納骨堂の場合は収蔵証明書)」を発行してもらいます。この段階で、菩提寺には墓じまいの相談を済ませておくのが望ましいです。

ステップ5:現在の墓地がある市区町村に「改葬許可申請書」を提出する

ここが手続きの要です。改葬許可の申請先は、移転先の自治体ではなく、現在お墓がある市区町村です。市区町村の窓口またはホームページで改葬許可申請書を入手し、必要事項を記入して、受入証明書・埋蔵(収蔵)証明書を添えて提出します。申請書の様式や必要書類の細部は自治体によって異なるため、事前に確認してください。

ステップ6:「改葬許可証」の交付を受ける

申請が受理されると、市区町村から「改葬許可証」が交付されます。これが遺骨を移動させるための正式な許可となります。

ステップ7:閉眼供養を行い、遺骨を取り出す

今のお墓で閉眼供養(魂抜き・お性根抜きなどとも呼ばれます)を行い、遺骨を取り出します。宗派や地域によって呼び方や作法は異なります。石材店に依頼して墓石を撤去し、墓地を更地に戻して管理者へ返還します。

ステップ8:改葬先に納骨する

交付された改葬許可証を新しい納骨先に提出し、遺骨を納めます。移転先で開眼供養や納骨法要を行う場合もあります。ここまでで一連の墓じまい・改葬が完了します。

つまずきやすいポイントと自治体の補助

手続きで迷いやすいのは、やはり「改葬許可申請はどこに出すのか」という点です。繰り返しになりますが、申請先は現在お墓がある市区町村です。「引っ越し先だから移転先の役所」と勘違いしやすいので注意してください。

また、証明書は複数の関係先(改葬先・現在の墓地管理者・市区町村)とやりとりして集めるため、遠方にお墓がある場合はスケジュールに余裕を持たせるのが安心です。郵送でのやりとりが可能かどうかも、早めに確認しておくとよいでしょう。

なお、自治体によっては墓じまいに関連する補助制度を設けている場合があります。ただし、あるかどうか・内容は自治体ごとに大きく異なるため、お墓のある市区町村に直接確認してください。証明書の取得順や自治体ごとの様式の違いなど、申請実務のこまかな点は墓じまいの手順と改葬許可申請の流れで個別に解説しています。

ここまでの工程を自分で進めるのが難しい、遠方で現地に足を運びにくいという場合は、手続きから撤去までまとめて任せる方法もあります。作業範囲や費用の内訳は墓じまい代行サービスの選び方と費用で比較できます。

まとめ

墓じまいは、費用と手続きの両面で準備が必要です。費用は「今のお墓を閉じる費用」「移転先の費用」「お寺へのお礼」に分けて考え、墓石撤去は1平方メートルあたり10万円前後、閉眼供養のお布施は3万円〜10万円程度、移転先は永代供養墓・納骨堂・樹木葬などで5万円〜150万円程度と幅があります。いずれも目安であり、実際の見積もりで確認してください。

離檀料は法的な義務ではなく、お世話になったお寺への感謝として包むお金です。金額に決まりはないため、早めの丁寧な相談が円満のカギになります。手続きは8ステップで進み、最大の要点は「改葬許可申請は現在お墓がある市区町村に提出する」こと。家族と相談し、移転先を決め、必要な証明書をそろえて許可証を受け取る――この順序を守れば、墓じまいは着実に前に進みます。

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