生前整理

エンディングノートの書き方|資産・医療・葬儀の希望を書く項目リスト

エンディングノートに何を書けばいいか迷う方へ。資産・医療・葬儀など書いておきたい項目と、遺言書との違い・法的効力の注意点を整理しました。

しまいごとノート編集部

エンディングノートとは?遺言書との違い

エンディングノートは、自分の資産や医療・介護の希望、葬儀の希望、家族への想いなどを書き留めておくノートです。決まった書式はなく、市販のノート(数百円〜2000円程度が目安)でも、自治体が配布しているものでも、手持ちのノートやパソコンのファイルでも構いません。※価格は2026年7月時点の目安です。最新の価格は各販売元でご確認ください。

ここで最初に押さえておきたいのが、エンディングノートには法的な効力がないという点です。「財産は長男に多く」「葬儀は近親者のみで」といった希望を書いても、それだけでは相続や財産分与を法的に拘束することはできません。財産の分け方など法的な効力を持たせたい内容は、民法所定の方式に従った遺言書(自筆証書遺言・公正証書遺言など)として別に作成する必要があります。エンディングノートは「家族に伝えたい情報や希望を整理し、共有するためのメモ」と位置づけ、法的な効力が必要な事項は専門家(弁護士・司法書士・公証役場など)に相談しながら遺言書で対応する、という役割分担で考えるとわかりやすくなります。

書く前に知っておきたい注意点

書き始める前に、いくつか注意しておきたい点があります。

  • 個人情報・パスワードの管理:銀行口座やネット証券、サブスクリプションサービスのIDやパスワードをそのまま書き込むと、紛失・盗難時に第三者に悪用されるリスクがあります。国民生活センターにも、デジタル資産の管理を巡るトラブル相談が寄せられています。パスワードそのものではなく「どこに何があるか」の一覧にとどめ、パスワード自体は別の安全な方法(パスワード管理ツールや金庫保管など)で管理する方法も検討してください。
  • 保管場所を家族に伝えておく:どれだけ丁寧に書いても、いざというときに家族が存在に気づかなければ意味がありません。保管場所は信頼できる家族や親族の誰かに伝えておきましょう。
  • 一度に完璧を目指さない:全項目を一気に埋めようとすると挫折しやすいテーマです。書けるところから少しずつ、状況が変わるたびに見直す前提で進めるのがおすすめです。

資産・お金について書いておくべき項目

もっとも実務的に役立つのが資産に関する情報です。以下のような項目を洗い出しておくと、家族が手続きで迷いにくくなります。

  • 預貯金口座(金融機関名・支店名。口座番号や残高は必須ではなく「どの金融機関に口座があるか」だけでも十分役立ちます)
  • 保険(生命保険・医療保険などの保険会社名、証券番号、受取人)。生命保険文化センターも、家族が保険の存在自体を把握していないと請求が遅れるケースがあると案内しています
  • 有価証券(証券会社名、口座の種類)
  • 不動産(所在地、権利関係、住宅ローンの有無)
  • 借入・ローン、クレジットカード、各種サブスクリプションの契約状況
  • 年金の種類と基礎年金番号
  • 貸金庫やその他の資産の保管場所

これらは相続手続きの起点になる情報です。詳細な金額まで書く必要はなく、「どこに何があるか」がわかるだけでも家族の負担は大きく変わります。

医療・介護の希望について書いておくべき項目

判断力が低下したときや、意思表示が難しい状態になったときに備えて、医療・介護の希望を記録しておくことも重要な役割のひとつです。

  • かかりつけ医・持病・服用中の薬・アレルギーの有無
  • 延命治療についての考え方(人工呼吸器や胃ろうなどをどこまで希望するか)
  • 介護が必要になった場合に希望する場所(自宅・施設など)や、費用に充てられる資産の範囲
  • 判断能力が低下した場合に財産管理や契約を任せたい人(任意後見制度の利用を検討している場合はその旨)
  • 緊急連絡先(家族・かかりつけ医・ケアマネジャーなど)

延命治療や医療行為に関する希望は、エンディングノートに書くだけでは医療現場での法的拘束力を持つとは限りません。事前指示書(リビングウィル)や、判断能力があるうちに家族・主治医と話し合っておく「人生会議(ACP)」と組み合わせて考えるとより実効性が高まります。

葬儀・お墓の希望について書いておくべき項目

葬儀やお墓についての希望も、あらかじめ書いておくことで家族の判断の負担を軽くできます。

  • 葬儀の形式(家族葬・一般葬・直葬など)への希望と、規模のイメージ
  • 呼んでほしい人・呼ばなくてよい人の連絡先リスト
  • 宗教・宗派、菩提寺の有無
  • 遺影に使ってほしい写真の保管場所
  • お墓の希望(既にあるお墓に入るか、樹木葬・納骨堂など別の形式を希望するか)
  • 香典・供花についての考え方(辞退したい場合はその旨)

なお、葬儀の希望を書いても、実際にどこまで実現できるかは費用や家族の状況にも左右されます。「絶対にこうしてほしい」というより「こういう希望がある」という温度感で書き、家族が状況に応じて判断できる余地を残しておくと、残された家族の負担が軽くなりやすいです。葬儀社やお墓に関する費用は変動があるため、最新の料金・制度は各社公式サイトや自治体窓口でご確認ください(※2026年7月時点の目安です)。

家族への想い・連絡先など残りの項目

資産や医療・葬儀以外にも、書いておくと家族が助かる項目があります。

  • ペットがいる場合、その後の世話をお願いしたい人や飼育方法についての情報
  • デジタル遺品(SNSアカウント、クラウドの写真データなど)をどう扱ってほしいか
  • 親族・友人・仕事関係者など、訃報を伝えてほしい人の連絡先リスト
  • 家族へのメッセージや、感謝を伝えたい言葉

最後の「想い」の部分は、実務情報とは違って正解のない項目です。無理に埋める必要はなく、書きたくなったタイミングで少しずつ加えていく形で構いません。

まとめ

エンディングノートは、資産・医療・葬儀といった実務的な情報から、家族への想いまでを一冊にまとめ、いざというときの家族の負担を軽くするためのものです。ただし法的な効力はないため、財産分与など法的な拘束力が必要な内容は遺言書として別途整えることが欠かせません。パスワードなど機微な情報の書き方には注意しつつ、まずは書けるところから少しずつ埋めていき、保管場所を家族に伝えておくところまでを一区切りに考えてみてください。エンディングノートづくりは生前整理の一部でもあるため、生前整理はいつ始めるかや、生前整理・老前整理・遺品整理の違いもあわせて確認すると、全体像を描きやすくなります。

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